相続手続き


 

 1 はじめに

 人が死亡したとき、残された家族が避けて通れないのが、年金・保険手続きをはじめとする行政手続きや、クレジットカードの停止や引き落とし口座の変更などの金融機関手続き、そして最も煩雑な手続きとなる相続手続きなどです。これらはご遺族にとって悲しみの癒えない間に次々と向き合わなければならない手続きで、大変なご負担になります

 手続きによっては、期限が設けられているものもあり、中にはとても煩雑で時間がかかる手続きもあります。

 しかし、滅多にあることではありませんので、困惑される方も多く、あっという間に期限が過ぎてしまい、手続きの機会を逃してしまう方も多いのではないでしょうか。

  その例を挙げてみると

   〇 死亡診断書等の書類の受領

   〇 死亡届の提出

   〇 火葬・埋葬の許可申請

   〇 健康保険証の返納手続き

   〇 各種公共料金等の引き落とし口座の変更手続き

   〇 年金関係の手続き

   〇 個人がサラリーマンの場合は、会社等の諸手続き

   〇 個人が個人事業主の場合は、取引先の債権・債務の清算

   〇 生命保険に関する手続き 等

 少しだけ挙げてもこれだけの手続きがありますが、人によってはこれ以外にも手続きが必要になる場合がありますので、これらすべてを相続人の方が法事を行いながらご自身で行うのはかなり大変な作業になってくると思います。

 相続に関する手続きは、各家庭によりどのような手続きが必要なのか異なりますので、その家庭の状況に即した手続きを行わなければなりません。

 当事務所では、お客さまのもとに行政書士が出向く「出張相談」を中心に行っています。相続手続きの全体像を把握された上で専門家に依頼されるかご判断ください。

2 相続手続きの一般的なプロセス

  被相続人の死亡       相続開始

     ▼           

  葬儀・初七日法要      市町村長に「死亡届」提出(7日以内)

     ▼

  遺言の有無確認       被相続人の死亡後、自筆証書遺言を発見したときには、家庭裁判所で

                「検認」の手続き

     ▼

  相続人の調査        被相続人(出生から死亡まで)と相続人全員の本籍地市町村役場より、

                戸籍謄本を取得

     ▼

  遺産の調査         遺産や債務を調査し、相続放棄・限定承認の手続きを行う場合は、相続

                開始を知った時から3か月以内に行う

     ▼

  準確定申告         被相続人が個人事業主の場合は、被相続人の所得税を、相続開始から、

                4か月以内に申告する。

                相続税は、相続開始から10か月以内に申告し、納税する。

     ▼          

  遺産分割協議        協議後、相続人全員の合意でのもと全員の実印を押印した遺産分割協議書

                を作成(まとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判の申し立てを行う)

                する。

     ▼          

  財産の名義変更       遺産分割協議書の通りに、財産の名義変更の手続きを行う。    

3 相続手続きをしていない場合、次のような時はどうなりますか?

 疑問1  被相続人の遺産である不動産を担保に金融機関などから融資してもらえますか?

 疑問2  建物の「増改築工事」などで土地の所有者の実印が必要な場合でも押印できますか?

 疑問3  相続人間で相続不動産の相続人が決まっていたとして、第三者に対して、自分のものだと主張できますか?

 このような疑問について、相続財産の不動産について、相続手続きを放置してしまうと、融資、売買、賃貸、増改築等で手続きができず、また、第三者に対抗することができません。

 疑問4  相続預貯金などを払戻しする場合どうなりますか?

 相続預貯金は、金融機関等が預貯金者の死亡を知った時点で口座が凍結され、相続人であっても故人の銀行口座からお金を引き出すことはおろか、記帳さえできなくなります。

 通帳・株券・権利証など、貸金庫に保管してあっても、見ることもできません。

 このような場合、金融機関に対しては、この口座の名義人が死亡し、その相続人が何人いて誰が相続するのかなどを証明する書面で証明しなければなりません。

 また、相続手続きを放置しておくと、相続人が死亡したり行方不明になったりした場合、更に相続関係が複雑になり、ますます手続きが困難になります。

 同時に、戸籍などの手続きに必要な書類の収集が難しくなります。故人の戸籍は出生から死亡までのものをそろえる必要があり、戸籍内容を調査して相続人を確定しなければならないのです。

4 戸籍の読み取りは難しい

 相続手続きを進めるにあたって、例えば、被相続人(故人)の戸籍謄本(生まれてから死亡するまでのすべての連続した戸籍)を収集する必要があります。本籍を変えたり(転籍)、婚姻したり、法律の改正・戸籍のコンピュータ化などによって作成(改製原戸籍)されたもの全て必要になり、それぞれの戸籍の取得に時間かかったりや読み取りが困難なものも出てきたりします。

 普段なじみのない戸籍であるだけでなく、コンピュータ化される前の「達筆な手書き」の戸籍もあり、読み取るのが難しいものも現に存在します。

 そこで専門家(行政書士等)に依頼することで、解説するスピードと正確さ、確実さで「相続人の調査」ができます。

 

   

 

PAGE TOP