再転相続の各相続人と相続分(その3)


 事例

 父が死亡し、その妻B及び5人の子C,D,E,F,G(CとDは先妻の子)が父の相続(1次相続)について熟慮期間が経過したが、父の遺産分割が未了の間に、更に妻BがE,F,Gを残して死亡しました。

 その後父及び妻Bの遺産分割が未了の間にさらに先妻の子C(独身)が死亡しましたが、その遺産分割も魅了の間に、今度はEが妻Sと子Hを残して死亡しました。

 さらに、その遺産分割も魅了の間に、今度は後妻の子Gが妻T(子はいない)を残して死亡しました。

 この場合、子D、F、亡Eの妻S・子H及び亡Gの妻Tの5名の各相続分の割合はどうなるでしょうか?

(1)まず、被相続人Aの相続(1次相続)について、その相続人となるべき者(B及び子5名)を確定し、相続分の割合を算出します。

(2)後妻Bに発生した相続(2次相続)について、その相続人(再転相続人。E、F、G)を確定し、その相続分を確定します。

(3)Cに発生した相続(3次相続)について、Cは、独身で子がおらず、両親も死亡しているので、兄弟姉妹(D、E、F、G)が相続することになるので、Cが父から相続した相続分につき、その相続人(D、E、F、G)の相続分の割合を算出します。ただし、全血の兄弟姉妹と半血の兄弟姉妹の相続分の割合は、2:1であることに注意します。

(4)Eに発生した相続(4次相続)について、その相続人(再転相続人。SとH)を確定するとともに、Eが父、B及びCから相続した相続分につき、その相続人(S及びH)の相続分の割合を算出します。

(5)Gに発生した相続(5次相続)について、相続人(T、D、H、F)を確定し、Gが父、B及びCから相続分につき、その相続人(T、D、F、H)の相続分の割合を算出します。

(6)最後に遺産分割の対象相続人となる者の相続分の割合を合計すると、当初の父の相続についての相続人(B及び子5名)の相続分の割合の合計と同じ「1」になり、計算の正確性を確認することができます。


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