遺留分は放棄できるの?


 事例1

 Aには、妻Wと子X・Yがいます。Aは、「自分の遺産の4分の3をXの夫Dに譲る」との公正証書遺言を作成しました。そのあとになって、親族が集まった席でAの相続について話題になった際、Wは、親族たちの前で、「自分は遺留分を主張しない」と宣言しました。やがて、Aが死亡しました。

 

 相続開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可によって効力が生じます。

 事例2

 Aには、子X・Y・Zがいます。Aは、「自分の遺産については、Xに10分の8、Yに10分の1、Zに10分の1を譲る」との遺言を残して死亡しました。Xにより遺産分割の調停が家庭裁判所に申し立てられ、X・Y・Zは、Aの遺産につき、Xは甲土地と乙建物(合わせて4,000万円相当)、Yは1,200万円の銀行預金、Zは800万円の現金をそれぞれ承継することで合意に達した。

 相続開始後の遺留分の放棄や遺留分侵害額請求権の放棄は自由で、家庭裁判所の許可なしに行うことができます。

 


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