遺言で「寄与」や「贈与」で定めることができるでしょうか?


 被相続人に対しての介護などの恩に報いる(「寄与」)ための遺言は、できないとされています。

 ただし、遺言により寄与に報いる趣旨を掲げて、相続分を増やしたり、遺贈するということはできます。相続人の貢献を考慮したい場合は、応分の財産を与えたことについて、「持ち戻し免除」の意思を明らかにしておくと、死後の紛争を予防し、または、鎮静化させることができます。

 家業等に長年貢献してくれたり、介護などに尽くしてくれた相続人に対し、特別の取り分を与えたい希望がある場合、遺言で明確に「持ち戻し免除」の意思表示をしましょう

 この「持ち戻し免除」の意思表示がされていると、相続人は被相続人の真意を知ることができ、紛争を防ぐことができます。

 介護や面倒を見てくれてくれる子供に、他の子供と比べて多くを分け与えたいという内容の遺言を作成する例は多くみられますが、それは、他の相続人との格差を生み、感情的なもつれにつながることもありますので、慎重に検討しましょう。

 遺言者は、相続人間の不公平感を鎮め、自身の死後における遺産分割での紛争を予防する観点からも、特別受益(贈与等)の持ち戻し免除の意思表示を明示することが必要となります。また、遺言者の気持ちなどを「付言」として別に明らかにしておくと、紛争防ぐ効果があります。

 

 

 

 


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