不倫関係にある者への遺贈を記した遺言


 事例

   Aには、妻Wと子X・Y・Zがいるにもかかわらず、Aは家族の目を避けてBと10年来の不倫関係にあった。Aは、Bの関心を得るため、「自分の財産

  の中から、1000万円をBに譲る」との自筆証書遺言を書いた。

不倫関係にあるものへの遺贈を記した遺言については、これが公序良俗違反であり無効になるのではないかという点で問題になります。

 ただし、

 ①その遺贈がもっぱら生計を遺言者に頼っていた相手方の生活を保全するためにされたものであって、不倫関係の維持継続を目的とするものでなかっ  

  た。

 ②その遺言の内容が相続人らの生活の基盤を脅かすものではなかった。

 以上の理由で、公序良俗違反ではないとした最高裁判決があります。


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