所有者不明土地(建物)管理人の権限とは?


 所有者不明土地管理人をY、土地の所有者で行方不明の者をXとした場合、

 1 Xは、その土地の管理、処分の権限を持っているでしょうか?

 2 Yは、土地上のX所有の廃材を廃品回収業者に売却できるでしょうか?

 3 Yは、その土地を第三者に売却できるでしょうか?

 4 Yは、Xに対していかなる義務を負うでしょうか?

 1について、Xは、土地の管理、処分の権限を有しません。

   次の権利は、所有者不明土地管理人に専属します。

  ① 土地、土地上の動産の管理及び処分をする権利

  ② 土地、土地上の動産の管理及び処分、その他の事由によりYが得た財産の管理及び

   処分をする権利

 2について、当然には処分できません。

  所有者不明土地管理人の基本的な権限は、「保存行為」及び「利用、改良行為」です。

  これを超えた行為、つまり、その処分行為をするには、裁判所の許可を有します。

 3について、裁判所の許可があれば、土地の売却をすることができます。

  Yが、裁判所の許可なく所有者不明土地等の処分を行った場合、その許可のないことを

 善意の第三者(許可のないことを知らなかった第三者)に対抗できません。

 4について、Yは、Xのために「善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなけれ

 ばなりません。(改正民法264条の5第1項)


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